Darryl Wezy "Maze of Fears" ―ボーダーの行方―
どうも。ながたつです。
最近、Orcivalのバスクシャツを集めるのを密かに楽しんでおります。FRED PERRY以外で収集癖を刺激するファッションアイテムは久しぶり笑
Darryl Wezy "Maze of Fears"について
UK好きと称しておきながら、かつてはフレンチポップも聴いており、ある時はイギリスに回帰したり、またある時は日本の歌謡曲を聴いたり、なぜか北欧のポップスに手を出してみたり…と気まぐれに服も音楽を楽しんでおります。
そんな僕がこのたび出会ったのが、
インドネシアのアーティストであるDarryl Wezyの"Maze of Fears"。
(Darryl Wezyの"Maze of Fears"。2012年発売。躍動感とアグレッシブさを匂わせるジャケ写。曲も負けじと弾けています!ここで紹介するアルバムは、モノクロ写真にカラフルな文字をあてるデザインばかりだ…偶然です笑)
インドネシアにここまでUSやUKを漂わせるアーティストがいたのかと感嘆するばかり。本当にポップでかっこいい!彼はMTVなどでUKやUSの様々な音楽に触れ、それが源流になっているとのこと*1。
ポップさを一本筋にしながら、〇〇ポップと括りにくい様相を帯びているように見受けられます。というのも、パワーポップのような少し野暮ったい感じもなく、かといってスウェディッシュポップや渋谷系のように徹底的にキラキラしているわけでもない。ネオアコのようなブルームさもありながら、そこまで沈んではいない…まさに、ボーダーレスとも言えますし、”Maze”しているともいえるでしょう笑
個人的に一番惹かれた曲は、"Smile Through Your Sorrow"。弾けるポップさとしっとりとした雰囲気をうまく混ぜて唄っております。
ワールドワイドに音楽を
USやUK、時にコンチネンタルな音楽を聴いてばかりの僕にとって、日本以外のアジア発の音楽は盲点でした。勝手にエキゾチックなイメージを抱いておりましたが、もうそのような認識は古いなぁ…そういえば、最近AKBグループのアイドルの一部が韓国へ移り、そこを拠点に活動していますよね。そんな音楽が日韓のティーンに受け入れられているでしょうし、彼らはジャンルなんかに関心がなさそう。
カルチャーの「化学反応」
”Nation”で物事を捉えるのはとても便宜ですが、カルチャーに関してはその捉え方にいよいよ限界がきていましょう。特に、60's以降から様々な国のカルチャーが入り交ざっており、その都度化学反応をおこし、新たなカルチャーが生まれていますし…(これは政治経済を捉えるのに不可欠な見方ですかね?)
"Border"なんぞ大したことはない?
"Border"は国境やらジャンルやらを指していますが、それを越えた作品が現れると、Darryl Wezyのようなアーティストは「アジア発のUSポップス!!」てな具合で称されるのがオチ。しかし、初めて聴いたポップスがDarryl Wezy!って人からすれば、Darryl Wezyのようなアーティストに影響を与えたUS,UKアーティストに対して「Darryl Wezyみたいな曲だな〜」って思うのでしょう。2〜30年たった後に、僕とは違った上記のような捉え方をする若者と会って、飲み明かしたいですね。
これからのポップスに対し、"Border"に拘らない聴き方を鍛えたいものです。良いものはいいですから。そんな感じで、引き続きOrcivalの"Border"シャツを集めたいと思います笑
*1:同アルバム付属ライナーノーツ