コーラ片手に音楽を

好きな服、好きな音楽、好きな映画と。

Santa Maria Novellaのオーデコロン ―「定番」のもつ説得力―

どうも。ながたつです。

だいぶ更新をサボってしまいました。サボりすぎました…こちらは元気に過ごしております。怠惰な学生生活を終えて、仕事をするようになりました。社会人になってから初めての更新。

お仕事をするようになってから、お金への考え方が変わりました。投資意識が芽生えたのです。有益なものには惜しまず投資します。例えば、知識・感性を錆びつかせたくないので、たくさん映画等を観るようにしています。加えて、業界の情報収集に時間とお金は惜しみません。とはいえ、そんなにお金はない。けど、投資したい。だから自然と財布の紐をきつく縛るようになりました。いいコト。

そんな価値観の変化と生来の貧乏性も悪さして、いわゆる「私服」を買おうと思えなくなりました。週2しか着ない服に、幾らも使いたくはないなあ。むしろ、週5で稼働する服に投資して、身なりくらい上司から褒められるよう頑張っています!

…なんて、言い訳をして物欲を正当化している今日このごろ。勿論、「仕事も覚えてがんばり!」ってご指摘に反論の余地もございません。人間、そう簡単に変われたら苦労しませんわな。結局何も変わっちゃいませんよ。

長い前置きはこの辺に、今日はオーデコロンを語ります。本日、渋谷のPARCOまで赴き、Santa Maria Novellaのオーデコロンを買いました。これをきっかけに最近の考えを語りたいと思います。

1.Santa Maria Novellaのオーデコロン(ポプリ)

①外観

購入したのはこちらのポプリの香りのオーデコロン。とりあえず、外観はこんな感じです!

https://www.instagram.com/p/CGKHCLbM3QQ/

非常に高級感のある見た目ですね。昨今の高級店やハイブランドは引き算で構築された粋(いき)なデザインが目立ちますが、こちらはそれを感じさせつつも、どこかロココな、粋(すい)な雰囲気も。フォントは特に強烈な個性を放っています。本当に人を引きつけるには、引き算で考えるだけではいけませんな。では、いきなりですが香りを自分なりに語ろうと思います。これを見ている人が参考にしているとは思えませんが、ぜひご覧ください。

②Santa Maria Novellaの香り

香りを言葉にするのは難しいですが、香水はよくトップノート→ミドルノート→ラストノート、と匂いが経過時間によって変化すると言われていますね。そんなカッコつけた表現はくすぐったいので、瓶の香り・つけ始め・しばらくあと、とでも表現します。

瓶の香り

一番に香ってくるのはスパイシーさです。スパイスというよりも、木が持つ、森が持つようなカラさ。カレーのようなスパイスよりも、森がもつスパイスなんですよね。あれが一番につつんでくれます。気持ちが引き締まります。スンとしたかんじ。

つけ始め

ポプリとはそもそも植物を発酵させたもの*1です。そのため発行物特有の少しコクのある香りがします。それ自体は好みかと言われると厳しいですが、ほんの数分でも経てばすぐに消えてしまいます。その後にくるツンとした匂いが追いかけてきて、その香りが気持ちを引き締め上げてくれるのです。これがあるからたまらんのだ。

しばらくあと 

しばらく経ってくると、甘さの奥にある爽やかさが引き立ってきます。白檀のような、わかりやすく言えばお線香に近い香りが漂います。これが好みの分かれるところかもしれませんが、僕は本当に大好きです。もともと、お香(Sunってのが大名作なんだ・・・)が好きなのでスモーキーな雰囲気が漂うのは大歓迎。本当に癒やされます。香りが人に与える影響は絶大だなと感じる今日このごろです。

こういった具合に紹介をしてみましたが参考になりますかね?このブランドの大定番ですので知っている方、嗅いだことある方は多いと思いますが、一応まとめました。そして、香り以外で私がこれをチョイスした理由をまとめてみようと思います。

2.「定番」がもつ説得力

そもそもこのSanta Maria Novella、大本をたどると800年近くの歴史を有するブランド*2です。老舗の域を超え、もはや歴史です。日本に置き換えれば鎌倉時代初期からあったことになります。世界が激動の歴史を過ごしてきたなか、ずーっとあったのです。あまりのスケールの大きさに実感が湧きません。そんなブランドが長らく愛されてきた商品の1つがこの「ポプリ」。その香りに僕も強く惹かれてしまいました。

昔は人と違うことに価値を見出して、人がしていないものを探すことに主軸をおいていましたが、実はそれってそこまで重要ではないことに最近気が付きました。

「定番」とは、僕なりに定義すると、「多くの人が受け入れたもの・こと」です。仕事をしていて思いますが、人に自分の意志を伝えることは本当に難しく、ましてや人を動かすなんで至難の業です。ところが、「定番」はその1つが多数の人々の心を動かし、受け入れさせたのです。その力の大きさに今は感服すらいたします。そんなものが持つ魅力に今は強い関心をもっていますね。

香水に限りません。服もそう。Fred Perryならやはりポロシャツやニットだし、Levi'sなら501、Barbourならオイルドジャケット一択になります。音楽もそう。昔はミーハーな音楽を聴くことにすこし抵抗がありましたが、最近はヒットチャートの音楽にも触れるようにしています。その時代の人の心を掴んだ曲の奥にあるものが知りたくなるから。もし、それが自分の好みと合わないと思ったら初めてその時に批判すればいいだけのハナシ。「定番だから・・・」で触れようとしないのは思考の放棄と同義です。時代性を持った音楽を通して現代を考える時間は至福の時です。音楽について筆を取るのは後日に譲りましょう。

様々な例を挙げましたが、僕が「定番」を集め、それを手にする理由は、人が何に惹きつけられるかを知りたいから、かもしれません。人を掴む要素はどこにあるのか、それを知りたいですし、自分もガッチリ掴まれました。もう1つあります。それは、皆が持つアイテムを自分だけの組み合わせで表現したいから。個性のあるアイテムで個性を表現するのではありません。一歩間違えれば、ただのバサラものになりかねません。花火の如きインパクトに関心なんざございません。多くの人が受容したアイテム、ある種の"Order"に則りながら、知らぬ間に滲み出る部分に面白さを感じます。「持っているアイテムはどれも定番なのに、そんな組み合わせはみたことないなぁ」って言われたらそれがイチバン強烈な個性を放っていましょう。他者性の中にこそ浮かび上がってくるのが本当の「個性」ではないでしょうか。そんなことを考えるキッカケを与えてくれたのが僕を囲んでいる「定番」でした。