コーラ片手に音楽を

好きな服、好きな音楽、好きな映画と。

"God Help The Girl"と"The Goodbye Girl"を比して① ―大声で「好き」と―

どうも。ながたつです。

最近の時勢を考えると、どうも外出は躊躇われますね。歴史的・空間的に甚大な罹災をし、日常に通底する「あたりまえ」を問い直さざるを得なくなりました。日常がなにをして成され、またそこに潜む宿痾が露呈していましょう。それに対して、僕自身ができることは微々たるもの(あるいは皆無)ですが、考えることだけはやめないようにしないとなりません。

さて、縷縷とした小言はこの辺にして、最近はこの機会を活かして映画に浸かろうと、ひたすら映画に興じてました。たまたま家にあった様々なDVDを観たいように観ていたら、偶然にも比較したら面白いのでは?という組み合わせに出会い、せっかくなのでそれをまとめます。

先に話すと、今回はラブ・ロマンス映画の比較です。僕は昔からアクションよりもロマンスの方が好きで、それもほんのり陰がありつつ多幸感を主軸に据えたものが好きでたまりません!偏愛が過ぎますがお許しください笑

"God Help The Girl"のあらすじと感想

1つ目は、一部でオシャレ映画と評される"God Help The Girl"(2014年公開)

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あらすじ

スコットランドグラスゴーのとある街。入院中の少女イヴ(エミリー・ブラウニング)は、一人ピアノに向かい曲を書いていた。ある日、彼女は、病院を抜け出し向かったライブハウスで、アコースティック・ギターを抱えたジェームズ(オリー・アレクサンデル)に出会い、さらに友人のキャシー(ハンナ・マリー)を紹介された。 2人の少女と1人の少年は一緒に音楽を作り始める。魅力的なのにどこか孤独を感じさせるイヴ。密かにイヴに恋をする理屈屋のジェームズ。天真爛漫な年下のキャシー。その夏、3人の友情と恋が、音楽にのって始まった-。
引用元:https://ciatr.jp/movie/24569

ざっくり言うと、青春映画!それも音楽と恋と友情と!!いくつになっても、関心が絶えないテーマ。個人的な話ですが、在りし学生時代と重ねたくなっちゃうんです笑

感想

この映画は昔から大好きで、やはり音楽好きとしてはどうも外せません。以前、Instagramでもこの映画のサントラに触れたことがあります。さて、この映画の感想は大きく挙げて3点。

1.音楽のセンスが随一

 監督があのBelle & Sebastian(通称:ベルセバ)のボーカルStuart Murdochですから、さすが音楽は素晴らしいものばかり。少しナードで、個人的・内向的な歌詞だけど、あくまでポップな音楽が映画を彩ります。どの曲もいい意味で大衆的で、キャッチーなメロディが印象的…と文を書き連ねても仕方がありませんので、1曲お気に入りの曲を!


God Help the Girl - I'll Have To Dance With Cassie

この映画にもあてはまることですが、内容は暗くともそれを暗いままにせず、明るさや上向きに昇華するような音像が、ベルセバを含めたイギリスのポップスの特徴の1つであると思います。この映画もあとで詳述しますが、色彩豊かな映像が一貫している様子は見事であると評さざるを得ません。音楽と映像はある意味で同じであり、どちらも表層であると思いますが、これが深刻になりすぎないことって至難の業ですよね。(少なくとも、僕にとっては。)

音楽って本当に強い力を有しているんですね。どんなに憂鬱なテーマも、音に載せてしまえば不思議と受け入れられちゃう。自分がいま辛い思いをしていることを歌っていると「自分以外にもいるんだな」って勝手に孤独感が薄れていきます。僕にとって、この映画やその音楽はそんな存在です。

2.卓越したファッションセンス

このブログは様々なカルチャーをクロスオーバーして見よう、というコンセプトが根っこにありますが、それはこの映画の影響が少なからずあります。

この映画の映像にも音像にも通底しているのが「60年代の雰囲気」。僕の人生を決定づけたMODSカルチャーが隆盛した頃と同時期ですね。この映画自体は、2010年代を舞台にしているハズですが、ファッションはどう考えても60年代。(ちなみに、作中で主人公たちが街中に配るポスターやフライヤーも非常にいい。)

60年代だからオシャレ!と短絡的に言いませんが、それでも抗えない憧れを抱いてなりません。きっと、監督の趣味を全面に出したのでしょう。60年代の「THE・衣装」をモチーフにしたファッションは今でも見ますが*1、普段着の中にそのエッセンスを織り込んだ作品は見たことがなかったのでとても新鮮です。

60年代といっていも、MODSの他にヌーベルバーグやフレンチポップス、もう少し後にピーコックetc...様々なカルチャーがありますが、この映画はそのどれもを上手に組み合わせているのが秀逸な点だと思います。普段着から60年代を匂わせるのが本当に◎

3.脚本は…しかし、暗部の描写は丁寧

この映画、10年という構想時間を経て完成に至ったそうですが、その割にストーリーをもっと詰めて欲しかった…!と思うこともあります。唐突な展開というか、若干のご都合主義感は否めません。映画の構成としては、凡庸であると正直思ってしまいます。ですが、そこをウリにしている映画でもないのかな?とも思いますし、まあまあ。

構成はさておき、暗部の描写は素晴らしい。明るい映像や音楽でも、底に流れているものはとても暗い。そもそも、主人公のイヴが拒食症である設定だし、思慮のない性の奔放さも褒められたものではありません。周りに求めるばかりの不安定さ、自己中心的な態度が目立ちます。

しかし、それが音楽を作る原動力で、また、考え方を変えて、次のステージに向かおうとするキッカケにもなるのだから皮肉以外の言葉が見つかりません。この独善性や不安定さ、それがクリエイティビティに繋がることって人間の本質をついているようでなりませんが、あくまで明るく描いているから入ってくるし、説教臭くなくてステキ。

先ほど構成に少し文句をつけましたが、暗部の描き方とバンドという題材を掛け合わせてミュージカルにしたのは素晴らしいです。自然と歌に移るので、ミュージカルが苦手な人にもオススメできますね!!

ここで一息

いやあ、書き疲れた…笑

この後、次の映画に話を移すので一度切ります。次で会いましょう。昔のInstagramの投稿を載せちゃおうかな。うん、書いてあること大して変わらないなあ笑

https://www.instagram.com/p/B6FPhjKgYB-/

【今日の一枚】

寒くなるとネオアコが聴きたくなる今日この頃、映画『God Help The Girl』のサントラを聴きなおしてます。Belle and SebastianのボーカルStuart Murdochが監督した映画。映画自体はそこそこだけど笑、衣装は60's〜80'sを基調としており、映像全体がとにかくオシャレ!個人的には、『I'll Have To Dance With Cassie』が曲名の通り、踊れるナンバーで1番好きです。Stuart Murdochのナードさがいい意味で出ており、映像と音楽の溶け込み具合は流石の一言。映画を見て、サントラで復習すると、一層楽しめると思います。他の映画でもやりたいですよね、こういうコト。

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*1:実は乃木坂46の「せっかちなかたつむり」なんかはそのいい例だと思うんですよね。