コーラ片手に音楽を

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靴磨のスゝメ① ―愛用の道具たちを紹介します―

どうも。ながたつです。

最近、Instagramでも音楽の話を一切しなくなりました。毎日聴いているものの、どう紹介しようものかまとまらないんです。困ったな〜ということで、今はもう1つの趣味であるファッションにフォーカスしている次第です。いずれ書きたくなったら音楽に関する話もしていきますね。

今日は、最近の生活の80%を占めている靴磨きの話でもしようかと。というもの、20歳のときから靴磨きを始めて、実は長いこと趣味の1つとして続いているんですよ。素人なりに靴磨きの道具や手順が固まってきたので一度まとめたくなりました。今回は、主に使っている道具といつもの手順を紹介します。

このブログを読んでいる方が靴磨きに興味のあるか分かりませんし、どのような認識を持っているかも分かりません。これをキッカケに靴磨きに興味を!とは思いませんが、「こんな世界もあるんだな〜」と思っていただけたらそれだけで幸いです。もし、靴磨きが好きな方がこれをご覧になっているならば、ご自身の道具や手順と比較して、参考にしていただけたらと思います。

さて、長い前置きをそろそろ〆て、本題に入りましょう。尚、長くなりそうなので、道具紹介編と磨き方編に分けます。今回は道具紹介編。ここで選んだ道具が僕の磨き方を決定づけているんですね〜。ちなみに、今回は黒靴を磨く場面を想定して道具を選びました。他にも色々持っておりますので、気が向いたら紹介します笑

僕が選んだ靴磨き道具たち

1.Collonil - 馬毛ブラシ

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 チリを払うための馬毛ブラシはコロニルのものを使っています。このブラシは毛足が長く、箒のように払えてとても便利です。また、ブラシが反っており、ブラシが届きにくい土踏まずあたりを的確に狙えるのも素晴らしい。

あと、大きさが僕の手に丁度いいんです。持ちやすさは磨きやすさにも大きく関わるので、ブラシの横幅と自分の手との相性はブラシ選びの大切な基準の1つです。

2.リグロイン

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リグロインは強力な溶剤です。僕はアセトンやベンジンの仲間と認識しています。服のシミ落としにも使うことができるので靴磨き以外でも重宝しています。これはワックスを落とす時に使います。ピッカピカのワックスを一瞬で落としてしまうすごいヤツですが、反面、あまりに強力で革を傷めてしまわないか不安になることも。あと、臭いが強烈なので、換気は欠かせません。

3.Boot Black - Two Face Lotion

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リグロインでワックスを落とした後、靴全体を綺麗にする時にはこれを使っています。僕は靴の汚れを、ホコリ・水汚れ・油汚れと分けて捉えています。ホコリはブラシで払い、水汚れは水で、油汚れは油で落とすが吉であろうと考えております。その考えに一番近いのがこの汚れ落とし。これは水性汚れと油性汚れの両方に対応している優れもの。シャバシャバ振り、白濁させてから使います。また、洗浄力が強く、短時間で汚れを落とせるのがイイ!これがなくなったら大きいボトルを買う予定です笑

4.M.Mowbray - Leather Delicate Cream

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汚れを落としたら、いよいよ栄養補給。まずは、水分補給から。そこで使うのがこのクリーム。通称、デリクリ。僕は猛烈なデリクリ信者で、これだけは塗りすぎることはないと考えています。革をヒビ割れから守るのに、このクリームは抜群の効果を発揮してくれます。また、他社のデリクリと異なり、ロウが入っていないので、しっとりとした仕上がりに。しかし、ほんの少し弱アルカリ性なのが精神衛生上よくない。弱酸性の革にとってアルカリは敵ですから。(そんなこといったら、ここまで出てきた汚れ落としは強アルカリなんだけどな。)

5.Saphir Noir - Creme1925

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今更語るのも野暮かもしれません。言わずと知れた大名作Saphir NoirのCreme1925。コッテコテの油性クリーム故に、磨くとギラッギラの仕上がりになります。また、着色力が高いので黒を深くしたい人の強い味方。しかし、あまりのギラギラ感故に、このクリームで手入れした靴をお通夜に履いていくのはかなり躊躇われます。逆に、結婚式などのハレの場にはもってこいです!

ところで、靴クリームは大別すると、乳化性クリームと油性クリームの2種類あります。それぞれの特徴は以下の通り*1

乳化性クリーム:水・油・ロウを含有。栄養補給が主目的。磨くとやさしい艶に。

油性クリーム:油・ロウを含有。栄養補給はそこそこ。磨くとギラッとした艶に。

今まで使ってきた感覚だと、油性クリームの方が雨を弾いてくれました。同じ色のクリームでも季節・天候や靴の状態、TPOに応じて靴クリームを適宜変えるのも面白いです。いろんなクリームを試して自分のパートナーを見つけてください。

また、Saphir Noir製品は革本来のpHと近いそうです。人のお肌も革も弱酸性。このクリームも弱酸性だそうで、本来の自然な姿に近いというのも気に入っている点の1つです。先程のリグロインなどはアルカリ性で、革本来の性質とはかけ離れているので、ここで少しでも革本来の状態に戻そうと試みています。

6.豚毛ブラシ(厳密には化繊ですが)

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ブラッシングをする時に使うのがこのブラシ。厳密には化繊なのですが、便宜上豚毛ブラシと呼んでおります。硬い毛のブラシでゴシゴシするにあたり、この大きさが最高。特にブラシの幅が素晴らしい。力をグッと入れるのに適した大きさです。クリームがだいぶ毛に浸透し、ブラシが真っ黒になりました。(この状態を「ブラシが育つ」といいます。)すごい頻度で使っておりますが、一切ヘタれる気配がありません。東急ハンズで1000円でしたが、値段以上のお買い物でしたね。けど、もう少し毛足が短いともっと使いやすいんだよなあ。

7.山羊毛ブラシ(これも化繊です笑)

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このブラシに至っては靴磨きグッズですらありません。元はフェイスブラシです。100円ショップで300円で買いました。山羊毛ブラシとかいってますが、もちろん化繊です。本当はきちんとした山羊毛ブラシがほしいのですが、まあ高いんですよ…大きさも小さいし、使い勝手はイマイチ(元はフェイスブラシですから仕方ありません。)ですが、このブラシをかけた後の仕上がりは眼を見張るものがあります。山羊毛ブラシがほしいなあと思う一方、これでも事足りるのが本音です笑

8.Saphir Noir - Bees Wax Polish

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またまた登場、Saphir Noir。これで靴の爪先や踵をピッカピカにできます。今まで様々なワックスを使ってきましたが、使いやすさと仕上がりのバランスを考えると、今のところの最適解。仕上がりが特別早いわけではないですが、うまく使った時の瑞々しい仕上がりは頭抜けています。しかし、ワックスこそ靴の状態や色によって使い分ける必要があり、このワックスさえ使えば大丈夫!というほど単純に行きません。これこそが、靴磨きの面白さと奥深さではないでしょうか。

9.ハンドラップ

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ワックスで磨く時に、水をチョコチョコつけて磨くのですが、その水を供給するのがこのハンドラップです。油断して使うと水をつけすぎてしまうので少しコツのいる道具でもあります。ちなみに、僕は水ではなくウイスキーの水割りを入れております。なぜかといいますと、アルコールは沸点が低く揮発しやすいため、ワックスで磨く際に便利なんです。…ただ、ハンドラップがなくても磨くことはできます。断言します。では、なぜ持っているのか。それは、自己満足です。これを使って磨く自分に酔いしれたいだけです。世界観に浸るのも趣味の大切なファクターですもの。

10.Brift H - Leather Sole Oil(レザーソールの場合のみ)

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これはレザーソールのお手入れに使います。靴磨き界で耳目を集めるBrift Hで購入しました。このオイル、相当いいです。このオイルは腐食を防ぐためのお酢が入っており、臭いはかなり強烈ですが、実際、カビの発生は軽減されます。(勿論、大雨のあとに管理をおこたれば、悲惨な最後が待っておりますが。)カビに対しては素晴らしい効果がありますが、ソールの耐久性に関しては、正直ソール次第ですね。これがあれば絶対長持ちするというものではないと思います。無論、手入れは欠かしてはいけませんが、過信も禁物かと。

 

以上、主に使う道具たちを使用順に並べて紹介しました。先述したように、今回は黒靴を磨く際の一例です。クリームやワックスは、靴によって色やメーカー等を使い分けているのでご了解ください。勿論、ブラシも色ごとに揃えております。これに加えて、Tシャツの切れ端やネル生地も使いますが、写真は省略しました。あまりに冴えない写真になったので笑

 僕なりの道具選びの基準

だいぶ長くなりましたが、もう少しだけお付き合いください。僕がこれらの道具を選ぶまでに様々な過程を経てきましたが、最近になりようやく基準が定まってきました。それは、

自分の手と相性がよく、目的に特化したものであること

ブラシなどは自分の手の大きさにあったものを選んでおります。クリームなどは、例えば、汚れ落としと栄養補給のオールインワンなどは選ばずに、汚れ落としならとことん汚れ落としに、水分補給ならとことん水分補給に、油分補給はとことん油分補給に、というように1つの物事に突出しているアイテムを選んでいます。

これは善し悪しではなく、僕の価値観に由来しています。いろんな事をバランス良くできる人も大変素晴らしいですしそれも1つの能力ですが、僕個人はなにかに特化した、それ以外はできないような人が好きなんです。不器用に思えても、この点だけは俺に任せろ!って人に惹かれるんですね。知らず識らずのうちに、道具に対してもそのような眼差しを向けていたようです。

さて、随分と長くなりました。いよいよ、僕の磨き方について話題を移しましょう。

 

*1:こちらのサイトにより詳しい説明がありますので、興味のある方はご参照ください。