コーラ片手に音楽を

好きな服、好きな音楽、好きな映画と。

今更ながらiPad Airを買いました −ナニを使うかより、ドウ使うか−

どうも。ながたつです。

久しぶりの更新ですね。半年以上サボっていたとは…物事が長続きしない性分は昔からですが、仕事でもないこのブログくらい続けないといけません。仕事じゃないのだから、もう少し真面目に取り組みます。。。

本日は免許の更新をするために都庁に行きました。更新は無事に済んだのですが、自分こんな写真写りが悪いのかと衝撃を受けました。今までの免許証は全て残していますが、まあ、驚くほどにどんどん痩せています…シュッと格好良くなったならいいのですが、残念ながらやつれているんですよ。ちゃんとご飯食べているんだけどなあ。

そんな話はさておいて、その後新宿のアップルストアへと赴き、ついについに買ってしまいました!!本日はそんな購入したiPad Airに関して1つ小話を。

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 なぜ今更Airなのか

多分これが気になるところであると思います。2021/05/18現在、もうすぐiPad Proがバージョンアップして発売されるというタイミングであえてのAir。これにはもちろん理由があります。

1.価格とスペックのバランス

今回買ったのはWi-Fiモデルの64GBです。基本的には自宅でサクッと使うことを想定しており、また、外出先で使いたければテザリングすればいいやと思いこれに。

iPad Proまで待っても良かったのですが、正直AppleCareをつけて11万近くするProは躊躇いました。Airの方はAppleCare込みで8万でお釣りが来たので。では、この価格差と体感のスペック差が釣り合うのかと言われるとそうは思えませんでした。

2.どのように使用するか

今回の記事の肝となるのはここですね。どのように使いたいかによると思います。そこで購入前に想定していた使い方を書き出します。

①動画閲覧

②Word、EXCEL、PDF閲覧

③カレンダー、メモの利用

④2画面でイロイロ

以上が僕の購入前の想定です。この時はApple Pencilは要らないと判断しました。では、少し触ってみて、どのように使っているのかを簡単にまとめますね。

僕なりのiPad活用術

1.動画閲覧

やはりこれは欠かせません。You TubeNetflixを画面いっぱいに広げて、楽しんでいます。しかし、単に視聴するのみではなくほんの一工夫をしています。

靴磨きの練習に

昨今、靴磨きの動画は拡大の一途を見せており、著名な職人さんがどんどん動画を上げてくださっています。そのような動画を見ながら、一緒に磨いたり、苦手な工程の時は、動画を見ながら研鑽に努めています。動画にも靴磨きも注意散漫となってしまうので工夫が必要ですが、磨きながら動画で正解の動きを確認できるのは大きいです。

また、所有している革靴をEXCELで管理しているのですが、2画面にすれば、左に動画、右にリストを表示して、リアルタイムで靴を磨いた日の更新もできます。

靴磨きという極めてアナログな世界も、デジタルとうまく掛け合わせることで、新たな可能性を見出すことができそうですね。

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動画で気になったことをすぐ検索

基本的に2画面やピクチャ・イン・ピクチャの恩恵を強く受けており、気になったことはすぐに調べています。例えば、Netflixで実話が元になった映画(e.g. キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン)を見た時に、映像を見つつネットでその史実を並行して見ると、奥行きを持って作品を楽しむことができます。

※これは記事によってはネタバレに繋がるし、映画に集中できないのでイマイチかも。

映画なので一度見てから後で調べるのもいいのですが、どんな疑問をもったかを忘れてしまうので、都度調べたくなります。何度も観た作品にはかなり有効かと。

2.論文閲覧

学生時代に貯めに貯めた論文のPDFを読むのにも使えます。基本的に制限がかかっているので、マーカーなどは引けないことが多いのですが、それでも読むのには役に立ちました。また、2画面を使い、片方に辞書アプリを出してその場で難しい言葉を検索したり、関連語句や背景知識を検索できますよね。紙で読む時にスムーズに移行したかったことがiPadだと可能になります。これが非常に大きいですね。

学生時代は、背景知識の把握に時間を取られて、本筋を捉えることができないまま消化不良を起こすこともしばしばありました。その原因は時間のロスでした。それを少しでも減らすことで、また、専門的なことを学べたらと思います。

3.SmartNewsとリマインダーの活用

情報収集はSmartNewsが多いのですが、なかでも気になった記事はリマインダーに入れて置くようにしています。SmartNewsからリマインダーにリンクをシェアして、時間のある時に読みます。

読み終えたのものは、リマインダーのメモ欄に要約を書いて、作業済にチェックすると、未読記事が一発で分かります。また、作業済も閲覧可能にすることで、すぐに読み直しができたり、自分の興味関心の履歴が分かるので面白いですよ!

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4.メモの活用

メモは純正のアプリを使っています。これで事足ります。iCloudに保存して、ふと浮かんだアイデアや半ば愚痴に近い発想を書き留めるようにしています。ここでしくじったのはApple Pencilを買わなかったことでした。画面が大きいので、タイプした文字と手書きの文字を共存させたくなりました。また、Apple Pencilだと、スクリーンショットもかなり楽らしいので、これは後日買い足そうと思います。

今後の展望

まずはApple Pencilを買おう

このタイトル通り、折角ならApple Pencilも買って、手書きも楽しめるようにしたいですね。iPadの魅力は圧倒的な取り回しのよさだと思うので、それを存分に活かすためにも早めに買います。

ブレインストーミングに期待

これで今まで以上にブレストも捗る気がします。今まで、その辺のメモ用紙にまとめていたのですがまず見返しません。うっかり捨てたこともありました。その時頭がスッキリすればいいのですが、発展性がないのも悲しいので、これはiPadApple Pencilに期待したいところです。

論文閲覧を快適に

論文を読んでいると、集中力がなくなります。手書きのよさを活かすためにも、Apple Pencilでマーカーを引きながら読みたいですね。WordデータでもPDFデータでも、どんどん書き込んだり、あとは、データの都合上それができなくとも、シンプルに指読はインプットの効率が格段に上がります。

いい加減このブログをもう少し更新しよう

はてなブログのアプリをいれたので、例えば、文章をPCで入力して、画像などを、iPadで挿入するのもアリだと考えています。とにかく、アウトプットの機会を増やして、自身を言語化したいので、そのためにもiPadを利用しない手はありません。

おわりに

と、まあ、こんな感じで、購入初日レビューを書きました。初日でまあ、ここまでイロイロ書いたものです。というのもですね、購入前のイメージは相当固めていたのですよ。それこそYou Tubeの動画とかネット記事とかそれはそれは大量に観ました。調べました。

具体的なイメージ、自分がそれを使っている姿が映像で浮かんだ時は買い時です。逆に言うと、物を手にすることを目的にしてはいけません。特にこのようなガジェット系は買ってからが本番です。革靴と同じで、ここから育っていくんですよね。

Santa Maria Novellaのオーデコロン ―「定番」のもつ説得力―

どうも。ながたつです。

だいぶ更新をサボってしまいました。サボりすぎました…こちらは元気に過ごしております。怠惰な学生生活を終えて、仕事をするようになりました。社会人になってから初めての更新。

お仕事をするようになってから、お金への考え方が変わりました。投資意識が芽生えたのです。有益なものには惜しまず投資します。例えば、知識・感性を錆びつかせたくないので、たくさん映画等を観るようにしています。加えて、業界の情報収集に時間とお金は惜しみません。とはいえ、そんなにお金はない。けど、投資したい。だから自然と財布の紐をきつく縛るようになりました。いいコト。

そんな価値観の変化と生来の貧乏性も悪さして、いわゆる「私服」を買おうと思えなくなりました。週2しか着ない服に、幾らも使いたくはないなあ。むしろ、週5で稼働する服に投資して、身なりくらい上司から褒められるよう頑張っています!

…なんて、言い訳をして物欲を正当化している今日このごろ。勿論、「仕事も覚えてがんばり!」ってご指摘に反論の余地もございません。人間、そう簡単に変われたら苦労しませんわな。結局何も変わっちゃいませんよ。

長い前置きはこの辺に、今日はオーデコロンを語ります。本日、渋谷のPARCOまで赴き、Santa Maria Novellaのオーデコロンを買いました。これをきっかけに最近の考えを語りたいと思います。

1.Santa Maria Novellaのオーデコロン(ポプリ)

①外観

購入したのはこちらのポプリの香りのオーデコロン。とりあえず、外観はこんな感じです!

https://www.instagram.com/p/CGKHCLbM3QQ/

非常に高級感のある見た目ですね。昨今の高級店やハイブランドは引き算で構築された粋(いき)なデザインが目立ちますが、こちらはそれを感じさせつつも、どこかロココな、粋(すい)な雰囲気も。フォントは特に強烈な個性を放っています。本当に人を引きつけるには、引き算で考えるだけではいけませんな。では、いきなりですが香りを自分なりに語ろうと思います。これを見ている人が参考にしているとは思えませんが、ぜひご覧ください。

②Santa Maria Novellaの香り

香りを言葉にするのは難しいですが、香水はよくトップノート→ミドルノート→ラストノート、と匂いが経過時間によって変化すると言われていますね。そんなカッコつけた表現はくすぐったいので、瓶の香り・つけ始め・しばらくあと、とでも表現します。

瓶の香り

一番に香ってくるのはスパイシーさです。スパイスというよりも、木が持つ、森が持つようなカラさ。カレーのようなスパイスよりも、森がもつスパイスなんですよね。あれが一番につつんでくれます。気持ちが引き締まります。スンとしたかんじ。

つけ始め

ポプリとはそもそも植物を発酵させたもの*1です。そのため発行物特有の少しコクのある香りがします。それ自体は好みかと言われると厳しいですが、ほんの数分でも経てばすぐに消えてしまいます。その後にくるツンとした匂いが追いかけてきて、その香りが気持ちを引き締め上げてくれるのです。これがあるからたまらんのだ。

しばらくあと 

しばらく経ってくると、甘さの奥にある爽やかさが引き立ってきます。白檀のような、わかりやすく言えばお線香に近い香りが漂います。これが好みの分かれるところかもしれませんが、僕は本当に大好きです。もともと、お香(Sunってのが大名作なんだ・・・)が好きなのでスモーキーな雰囲気が漂うのは大歓迎。本当に癒やされます。香りが人に与える影響は絶大だなと感じる今日このごろです。

こういった具合に紹介をしてみましたが参考になりますかね?このブランドの大定番ですので知っている方、嗅いだことある方は多いと思いますが、一応まとめました。そして、香り以外で私がこれをチョイスした理由をまとめてみようと思います。

2.「定番」がもつ説得力

そもそもこのSanta Maria Novella、大本をたどると800年近くの歴史を有するブランド*2です。老舗の域を超え、もはや歴史です。日本に置き換えれば鎌倉時代初期からあったことになります。世界が激動の歴史を過ごしてきたなか、ずーっとあったのです。あまりのスケールの大きさに実感が湧きません。そんなブランドが長らく愛されてきた商品の1つがこの「ポプリ」。その香りに僕も強く惹かれてしまいました。

昔は人と違うことに価値を見出して、人がしていないものを探すことに主軸をおいていましたが、実はそれってそこまで重要ではないことに最近気が付きました。

「定番」とは、僕なりに定義すると、「多くの人が受け入れたもの・こと」です。仕事をしていて思いますが、人に自分の意志を伝えることは本当に難しく、ましてや人を動かすなんで至難の業です。ところが、「定番」はその1つが多数の人々の心を動かし、受け入れさせたのです。その力の大きさに今は感服すらいたします。そんなものが持つ魅力に今は強い関心をもっていますね。

香水に限りません。服もそう。Fred Perryならやはりポロシャツやニットだし、Levi'sなら501、Barbourならオイルドジャケット一択になります。音楽もそう。昔はミーハーな音楽を聴くことにすこし抵抗がありましたが、最近はヒットチャートの音楽にも触れるようにしています。その時代の人の心を掴んだ曲の奥にあるものが知りたくなるから。もし、それが自分の好みと合わないと思ったら初めてその時に批判すればいいだけのハナシ。「定番だから・・・」で触れようとしないのは思考の放棄と同義です。時代性を持った音楽を通して現代を考える時間は至福の時です。音楽について筆を取るのは後日に譲りましょう。

様々な例を挙げましたが、僕が「定番」を集め、それを手にする理由は、人が何に惹きつけられるかを知りたいから、かもしれません。人を掴む要素はどこにあるのか、それを知りたいですし、自分もガッチリ掴まれました。もう1つあります。それは、皆が持つアイテムを自分だけの組み合わせで表現したいから。個性のあるアイテムで個性を表現するのではありません。一歩間違えれば、ただのバサラものになりかねません。花火の如きインパクトに関心なんざございません。多くの人が受容したアイテム、ある種の"Order"に則りながら、知らぬ間に滲み出る部分に面白さを感じます。「持っているアイテムはどれも定番なのに、そんな組み合わせはみたことないなぁ」って言われたらそれがイチバン強烈な個性を放っていましょう。他者性の中にこそ浮かび上がってくるのが本当の「個性」ではないでしょうか。そんなことを考えるキッカケを与えてくれたのが僕を囲んでいる「定番」でした。

"God Help The Girl"と"The Goodbye Girl"を比して② ―人はかよわいものですね―

どうも。ながたつです。

この記事は後編です。下記の記事を見てから、本記事をご参照くださいませ。

 

coke-and-music.hatenablog.com

さて、前置きなしでいきなり本題に参りましょう!!

今回は"The Goodbye Girl"のハナシ。

"The Goodbye Girl"のあらすじと感想

どことなく"God Help The Girl"と構図が似ている"The Goodbye Girl"(1977年公開)

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あらすじ

マンハッタンのダウンタウン、元ダンサーのポーラと娘ルーシーはポーラの恋人トニーと暮らしていたのだが、ある日トニーが置き手紙を残し出て行ってしまった。俳優である彼は映画出演のためにイタリアに行くのだという。ポーラが付き合うのは役者ばかり。しかもみな良い役をもらうと彼女を置いていなくなってしまう。涙にくれるポーラのもとに、ある夜一人の男エリオットが訪ねてきた。トニーから部屋を譲り受けたのだというエリオットをポーラは追い返そうとするのだが、強引に押し切られ3人の同居生活が始まる。エリオットもまた役者で、ポーラは警戒するのだが...…。

かいつまんで言いますと、男運のない女の元に変な俳優がやってきて、それからドタバタ劇が繰り広げられるといったところでしょうか。安心して見ていられる王道ラブストーリー。

感想

1.登場人物のバランスが秀逸

この映画を見て、面白いと思ったのは配役。主な登場人物は、元ダンサーのポーラ・その娘のルーシー・役者のエリオットの3人。子連れの人と結婚してどーこーはあるものの、あくまで同居。また、子供のことを配慮しているようで微妙に無配慮なエリオットが笑えてきます。そして、キーパーソンはルーシー。

ポーラの男運のなさ故か、自分がしっかりしていなきゃと思っているのか、あまりに大人びている。子供であることを奪われているような様子が悲しくとも、それが可笑しい。子供に支えられる親というのは実に情けない話ですが、物語としてみると面白いし、また往々にしてあるんだろうなあと感じます笑親子というより同士かな?

ここまでだと、ませた子供とダメな大人という構図のの陳腐な話ですが、このルーシーが「子供として」大人に抗う姿もあるんですね。子供が大人に支えられ、大人が子供に支えられるこのバランスが秀逸でした。

2.恋愛の男女の捉え方のセンスの良さ

 ロマンスというのは、いつの時代も男女の感情の機微やすれ違いなど、コミュニケーションの不一致や難しさを面白がるものだと思いますが、この映画はそこを分かりやすく、象徴的に描いています。

ポーラは過去の恋愛に傷ついて、男性不信となりながらも、ついロマンスに浮かれてしまう好事家なところが。きっと恋愛体質なのでしょう。一時の感情に振り回され、ヒステリックになり、周りを混乱させる。分かっていながらも感情を自制できず、男運のなさの片棒を担いでしまってます。しかし、そのロマンチックなところは魅力の1つだし、直向きな姿には胸を打たれます。

一方、エリオットは意味不明なこだわりに執着する変わったヤツ。家の中で全裸で過ごしたり、狭いアパートでギターを弾いたり、よく分からん瞑想を始めたり…仕事に対しても激しいこだわりを持っているけれど、どこかが抜けている。しかし、人を見る時の冷静な観察眼はさすが俳優といったところか。そして、ポーラのヒステリックをただただ呆れるのではなく、きちんと指摘する姿は本当に素敵。変わっているけど、決めるところは決めるから、最後に幸せをつかむんだよねえ。。。

3.王道ラブストーリーだからこそ…

 僕はあえて、このポーラとエリオットを男と女の代表的な特徴を担ったものとして書きました。この映画は70年代の映画なので、このように整理して差し支えはないと思いますが、昨今は男も女もないでしょう。ポーラー的な男もいれば、エリオット的な女もいる。

それぞれの要素を1つの体に宿しているのだから、人間は面白くて、難しい。この難しさを分解して、それぞれの役に置き直しているから、本質が入ってくると思うんです。言い換えれば、だからこそ王道は王道になるのでは?僕は、王道といわれるのが大好きですが、その所以は、多くの人に受け入れられる普遍性と、鋭い物事の捉え方が内包されているためです。

ちなみに、この映画のテーマソングがめちゃくちゃいいので、ぜひ聴いてください!


David Gates - Goodbye Girl (Official Music Video) 

2つの映画を照らして浮かび上がること

さて、この記事は「"God Help The Girl"と"The Goodbye Girl"を比して」と銘打って書いています。そこで、次にこの2つの映画の共通点と相違点を整理して、なにか見えてくると期待しましょう笑

共通点

1.主要人物の役割

2つの映画も主要な登場人物は3人。各々の役割もなんとなく似ていると思います。以下には、対応する人物とそれに対するコメントを。

①イヴ(GHTG)―ポーラ(TGG)

2人とも、ロマンスの中に生きる人物で、相手の男を良くも悪くも翻弄しています。彼女たちが物語の中心として話を動かしていきますよね。2人とも恋愛のことになると我が道を行き、周りが見えなくなるような内向的な人物像が浮かびます。

②ジェームス(GHTG)―エリオット(TGG)

これは2人ともヒロインに振り回される男たちです。振り回された方はそれぞれ異なるけど、相手に思いを寄せたり、時に呆れたり。一喜一憂しているのは、変わらないでしょう。これを本気で楽しんでいるのか、しんどい思いをしているかは分かりません。僕は結局こういうのに振り回されるのを楽しむタイプ笑

③キャシー(GHTG)―ルーシー(TGG)

実は重要なのが③ではないでしょうか。2人の様子を俯瞰的に見て、口を挟んだり、黙って見守ったり、そもそもあまり関心がなかったり…いい意味で置物のようにいる。この役割があるからこそ、これらの物語がどこか可笑しく映ると思うのです。

ある意味観客と同じような立場の人物が作中にあると、話も分かりやすいし、シリアスさが薄れるようにも見受けます。メタ的なキャラクターがいることで、物語を楽しみつつも没入しすぎないバランス感覚を観客に与えているようでなりません。特に、GHTGのキャシーの天真爛漫さが、映画に「青春」のエッセンス加えてくれています。

2.恋する人の脆さ

恋愛をすると人間は弱くなるものだと思いますが、その様子をしっかり描いている映画を並べてみました。恋愛した時のみっともない感じ、楽しくて浮かれている感じ、寂しい感じ、色んな感情がマーブル模様を描いており、それが鮮明に映るから観ていて楽しいんですよね。

GHTGではジェームスのような男が、口では色々理屈をこねても、結局奔放なイヴに振り回されて、クヨクヨしていて…みっともないところもあるけど、そういうところってみんなあると思うんですよ。

TGGのポーラみたいなダメ〜な感じも男女問わず共感できると思います。浮かれて、裏切られ、人間不信になって…けど、コロッと次にいってまた繰り返して…これもまた多くの人に当てはまりませんかね?

結局、人間は恋愛の前では皆平等に初心者で、毎回同じようなことで一喜一憂するものではないでしょうか。そういう、真理めいたものを気付かせてくれる気がして、ロマンス映画を観るのがやめられずにいる今日このごろです笑

相違点

では、話を相違点に移しましょう。これもまた大切な気付きがあると思います。

1.主人公の孤独感

GHTGのイヴは孤独にいつも苛まれているように感じます。とても独り善がりで、自己肯定感もとても低そう。自分の気持ちをうまく保つことに対して不器用な人物なんだなってことが一目でわかります。そこに共感する自分を認めざるを得ません。物語の後半で、1人で過ごす休日に耐えかねておかしくなるシーンがありますが、あれはイヴの孤独感のメタファーだと思います。そもそも、性に奔放な姿も孤独の裏返しなのではないでしょうか…

対して、TGGのポーラには娘がおり、ダンス仲間もおり、孤独を感じることは少ないのではないでしょうか。家族が同じ屋根の下にいることが、ポーラを支えているのだと思います。映画の中でも1人でいるシーンが少ないように感じました。こうして比較してみると、思ったよりも人間を支える上で大切なことなんだなって痛感しました。

2.登場人物たちの未来

それぞれの映画では、エンディングの方向性が1番異なります。ネタバレにつながってしまうので、あまり書きたくありませんが、うまく曖昧にしながら、書いてみます。

人間は出会いと別れを繰り返し、くっついたり離れたりを繰り返して生きておりますが、2つの映画でもそれはもちろんあります。しかし、その距離感が示すものが大きく異なるように映りました。

GHTGではこの時が思い出の1つとなるような、そしてまた変わらない日常が戻ってくるような表現がなされ、TGGではこの時間が新たな生活の始まりを予感させるものでした。瞬間=空間を描いた前者と、歴史=時間をほのめかした後者とではもつ意味が変わると思います。だからこそ、この恋の意味も変わってくるものではないでしょうか。少しカッコつけると、前者の恋はやがてセピア色に、後者の恋はこれから彩りを与えていくような印象を受けました。どちらが良い悪いはなく、どちらも人生を豊かにしてくれることは間違いないです。

最後に

 以上、2つの映画を比較しました。正直、思ったより浅い考察となったことが悔しくてなりません。もう少し突っ込んだところまでいきたかったのですが、これが今の自分の限界ですので、潔く文章を締めましょう。しかし、映画をこうして観てみるのは本当に楽しい。

映画を見ているときって、その時その時のシーンに対する感動が自分を支配しています。その感動に丁寧に言葉を与えて、なにが素敵なのかを語ることも、立派な表現だと思います。その言葉を発信すれば、それを見た人に響くかも分かりません。

昨今、色んなイベントが自粛されています。それは仕方のないことです。しかし、映画に限らず人間に芸術は欠かせません。これだけは言い切れます。体は動かせなくとも、心と頭は動かせるはず。まだまだいろんな作品に触れないと。